大腸の内視鏡検査を受けてきました。痛みや検査の流れをレポート

日記

先日、人間ドックの便潜血検査で陽性反応が出て、大腸がんやポリープの有無を調べるために、大腸の内視鏡検査を受けてきました。

胃カメラは経験がありますが、腸にカメラを入れられるのは初めてで、受ける病院を決めることからはじまり、検査当日結果を聞くまで、ドキドキの数日間でした。

不安で不安で、事前にネットをたくさん検索して、経験者のコメントに救われた部分が少なくありませんでした。今後どなたかの役に立てればと思い、おしもの話で恐縮ですが、記録を残しておこうと思います。

大腸がん疑いによる精密検査受診は5割

複数の専門病院のサイトに記載があったのですが、健診の便潜血検査で引っかかって紹介状をもらったあと、精密検査を受診しない人が半数くらいいるとのことでした。

検査の数日前から食事制限があることや、下剤を飲んでおなかを空っぽにしないといけないこと、再検査は一日がかりになることなど、わずらわしいことが多くある検査なので、「もともと痔があるから…」とか、いろいろ理由をつけて先送りにしてしまうのだろうと思います。

病院を選ぶポイント

どの病院で検査を受けるか決めるとき、ネットで口コミを調べてみたりしますが、正直何を信じたらいいかわからなくなります。

家から近いかとか、無痛の検査を実施しているかどうかとか、いろいろ調べましたが、結果的に、消化器疾患に強そうな総合病院のうち、年間の検査件数が多いという点を判断材料にしました

以前、母が大腸の内視鏡検査を受けたとき、ものすごい痛みがあり、医療スタッフにそれを訴えたところ、「腸の形によって痛い人と痛くない人がいる」と言われました。

その後、検査件数の多い別の病院で同じように内視鏡検査を受けたところ、嘘のように痛みがなかったとのこと。
「慣れ」はある程度重要なファクターだと思われます。

この記事をなんらかの判断材料にされるかたもいらっしゃると思いますが、時期や諸条件により、まったく同じようにはいかないと思いますので、あくまで参考としてお読みください。


まずは受診する

まずは受診して、血液検査などを行い、検査についての説明を聞きました。

大腸の内視鏡検査を受けて、10人中5人くらいは何の問題もみつからず、そのまま帰れるそうです。
残り半分は、良性を含むポリープなどが見つかり、切除を行うとのこと。

ポリープ切除

悪性良性に関わらず、一定以上の大きさのポリープは切除するそうです。
良性のポリープが複数あった場合の切除をするかしないかの判断の理由について、詳しく説明を受けました。

切除は、内視鏡の先端に内蔵されている切除器具でその場で行われるので、切除のためにあらためて何かしなければならないということはありません。
カメラで中を見たついでに、必要があればカメラから機械が出てきてポリープを取ることができる。粘膜に知覚神経はないので、切除に痛みはともないません。

技術の進歩ってすごいですね。

ポリープ切除後は出血に注意

ポリープを切除した場合は、この病院の場合、一晩入院して出血しないかどうか様子を見ます。
ということで、検査当日は入院の準備をして病院に向かうことになります。

万一入院しても支障がない日を選んで、検査予約しました。

検査の際に痛みはあるかどうか

人によりますが、腸の中に内視鏡を通す際、押されるような痛みを感じる場合があるそうです。以前に腹部の手術を受けていて、癒着が起きている場合は、それが原因で痛みがあることもあるそう。

無痛検査も可能

検査の前には鎮静剤を注射し、必要であれば麻酔(「眠れる薬」と言われました)の投与も可能です。寝ている間に検査を終えたいという人は、あらかじめ麻酔を使っての検査の希望も受け付けるとのことでした。

検査の前の食事制限

検査の前の2日間、食べてはいけないものがあります。食べてもいいものを数える方が正直はやかったです。
食事の準備をするのが大変な人は、食べてもいいものだけで構成された検査食を購入することもできます。

私は2日間素うどんと冷ややっこ、それにカステラだけで乗り切りました。

下剤の服用

食事制限のある2日間は、寝る前に下剤を服用します。
1日目は錠剤を2粒、2日目は錠剤2粒と液体の薬をコップの水に溶かして飲みます。

私はもともとお通じがいい方なので、おなかがピーピーになったらどうしようかとビクビクしていましたが、そこまで強い下剤ではありませんでした。でも、職場の冷房のきいた部屋ではずっとおなかがゴロゴロしていたので、注意は必要です。

検査当日の下剤の服用

検査当日は、絶食のまま午前中から病院に行き、大量の洗浄剤を飲んで腸の中をからっぽにするという大仕事が待っています。

200cc×3~5回

15分くらいの間隔をあけて、200ccずつ飲んでいきます。透明の液体で、ややしょっぱいです。
最初の1杯には別な薬が混ぜてあるので、2杯目以降よりまずいと聞かされましたが、予想していたよりもまともな味でした。ものすごくまずいスポーツドリンクという感じです。

バリウムを飲むのがダメな私は、この洗浄剤を飲み干せなかったらどうしようと不安でしたが、思ったよりもラクでした。

洗浄剤を飲んではトイレに通うということを繰り返し、おなかのなかをからっぽにしていきます。
私は3杯(600cc)飲んだ後のトイレチェックで合格が出ました。
それとは別に500ccのペットボトルのお水を持参していたので、検査前までに900㏄くらいの水分をおなかに流し込んだことになります。

なかなかお通じが出ない人は、洗浄剤を5杯(1L)くらい飲まないといけないようでした。

トイレ待ちのあいだはスマホや持参した本を読んだりして、案外のんびり過ごしました。脱水症状を防ぐために水分をとるようにとの指示があり、温かいお茶でもよいと言われました。冷たいお水でおなかが冷えていたので、温かいお茶を飲めたのはありがたかったです。

いよいよ検査

日ごろからお通じのいい私は、その日同じ検査を受ける人たちのうち最後に来たのに、最初に検査を受けることになりました。ちょうどお昼頃の時間です。

検査着は恥ずかしくない

検査室のなかにトイレ付きの更衣室があり、そこで検査用の服に着替えます。

検査着は「お尻に穴の開いたパンツをはく」と聞いていたので、どんな恥ずかしい格好をさせられるのかと震えていましたが、下は不織布でできた濃い色の長ズボンです。穴というよりも、お尻の部分だけ縫い忘れた、といったデザインです。中国の子どもが履いている、また割れズボンだ!と嬉しくなりました(←)。

金属のものはとるようにと言われましたが、指輪は外せなかったのでそのままつけていいことになりました。

検査用の上着は丈が長くて膝あたりまで隠れるので、恥ずかしさはなく歩くことができました。

検査にかかる時間

不安だったので、看護師さんに検査にかかる時間を聞いたところ、何もなければ10分もかからず、何かあっても(腸に内視鏡を入れづらかったり、ポリープを切ることになったりしても)、通常30分以内で終わるとのことでした。

検査用の寝台に横になり、血圧を測り、検査直前に鎮静剤を注射します。検査途中で苦痛があったときに麻酔を投与してもらうため、針を腕に残しておいてもらいました。
この鎮静剤は、打っている間に肩とか首あたりの血管に痛みを感じるタイプの注射です。結構痛くて、はじめての人はびっくりするかもしれませんが、こういう注射なので心配しなくて大丈夫です。

今回の検査で痛みがあったといえば、この注射の痛みくらいでした。

それからすぐに検査が始まりましたが、正直まったく何の感覚もなく、ぼんやりとした頭で自分の腸の中が映し出されるモニターを(きれいだなー)と思いながら見ていました。

私は帝王切開の経験があるので、癒着があって痛みが大きかったらどうしようと心配でしたが、まったくの杞憂でした。

検査終了

幸い、何も見つからず、数分間で検査は終了し、車いすに載せられて移動し、休憩用のベッドに移されました。
ここで30分くらい爆睡しました。目が覚めると付近のベッドからいびきが聞こえてきます。

私は鎮静剤のみの使用だったので、検査後の休憩時間が1時間でしたが、麻酔を使った場合は休憩時間を2時間取らなければなりません。

1時間ほど横になって休んで、鎮静剤の効果が十分なくなったところで診察室に行き、結果を聞いて支払いし、家に帰りました。

朝9時15分に病院について、会計まですべて終了したのが3時前でした。

検査にかかる費用

初回の受診は紹介状があったので初診料の支払いが不要でした。血液検査と薬代も込みで3000円強。
検査当日の支払いは6000円弱でした。

再検査のために1万円弱かかったことになりますが、おかげで安心できました。主治医の先生や看護師のみなさんも大変慣れていて、それでいて丁寧な説明を繰り返ししてくださって、不安を軽減してくださいました。

検査後のおなら

びろうな話ですみません。大腸の内視鏡検査でもうひとつ心配だったのが、おならのことです。

検査のために腸のなかに空気?を送りこんでふくらませるのですが、このために検査後もおなかが張って苦しかったり、帰り道におならが止まらず大変だった、という話を聞いていました。

私が検査を受けた病院では、従来よりも体内に吸収されやすい二酸化炭素(? うろ覚えですがたしか炭酸ガスだったと思います)を使っているので、検査後のおなかの膨張感などが少ないとのことでした。

結果、(検査後に寝ている間に気づかずがんがん放出していたかもしれませんが)帰りの電車の中ではまったくこの件を思い出すこともなく、不快さを感じずに家に帰りつきました。

がんの早期治療に効果大

うちの家系には癌になった人が多いので、健診で引っかかる(わりといろいろよく引っかかる)たびにどきどきしながらも、さぼらず再検査を受けています。

大腸の粘膜には知覚神経がないので、大腸がんなどが痛みを感じることがなく進行することが多いのですが、内視鏡検査によって、がんの芽と言われるポリープを切除することで、大腸がん発生の7~9割を予防できるそうです。

簡単な便潜血検査などによって、自覚症状が出る前の早期発見ができるのはありがたいことだなと感じました。

健診後の再検査は面倒なものですが、引っかかったら安心するためにもできるだけ早く受けよう、と今回あらためて実感しました。もし今回再検査になって、「面倒だな…」と思っていらっしゃる方がこの記事を読んでいらしたら、思ったよりも苦痛のない検査なので、状況が許せるならできるだけ受けていただきたいなと思います。

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