佐々木マキ見本帖展@ひろしま美術館に行ってきました

ひろしま美術館で開催中の、佐々木マキ見本帖展に行ってきました。

佐々木マキって誰?という方々にもぜひ興味を持って足を運んでいただきたいので、私のお気に入りの佐々木マキさんの作品とともに紹介してみたいと思います。

佐々木マキ見本帖展 – 特別展 – [ひろしま美術館]

ポップでシュールなナンセンス・ワールド本展では、佐々木マキ約45年間の多岐にわたる創作活動を振り返る初めての展覧会で、マンガや絵本の原画のほか、挿絵や装丁画、版画、写真、陶製フィギュアなど約180点を展示します。

佐々木マキと言えば村上春樹の羊男

と言う人も多いのではないでしょうか。

「ふしぎな図書館」は、シュールな佐々木マキワールドに村上春樹の世界観がすぽんとはまっていて、大好きな作品です。

佐々木マキ氏の作品に共通する浮遊感とリズムが私はとても好きなのですが、ジャズ好きな村上春樹とも、そういうところに共通点があるのかなと感じています。

漫画家から絵本作家への転身

佐々木マキさんは雑誌『ガロ』などで活躍した漫画家。
長新太と同じ、漫画家から絵本作家へと転身した経歴をお持ちです。
長新太のシュールな絵本も大好きです。予定調和的なオチがつかないのが最高。

手塚治虫氏に「あれは狂っている」「やめさせろ」とクレームをつけられたという噂のガロ時代の佐々木マキの作品を、今回の展覧会ではじっくり堪能できます。

シュールでナンセンスなコマ運び、音楽が聞こえてきそうな画面、なんともせつなく悲しい通奏低音。
ずっと眺めていたいような、不安になって早くその場を離れたいような、不思議な気持ちになります。

お子さん連れの方は、最初のお部屋の「うみべのまち」全点展示はさらっと通り過ぎるのがよいかもしれません。


デビュー作・やっぱりおおかみ

佐々木マキが絵本作家に転身した理由がなんと、「漫画と違って絵本は上質な紙に印刷されるのがうらやましかった」とのこと(もちろんそれだけではないでしょうけど)。

絵本をほとんど読んだことがなかった佐々木マキ氏は、編集者さんにセンダックの絵本を勧められ、『まよなかのだいどころ』を読んで、デビュー作の『やっぱりおおかみ』を描いたそうです。

我が家のお気に入り絵本

子供の頃、いちばん佐々木マキ絵本にはまっていたのは息子で、お気に入りは『くりんくりんごーごー』。

週に一度、保育園の図書室から1冊絵本を借りて帰ってくるのですが、2歳くらいの一時期、毎週この本を抱えて帰ってきていました。ほかの本を借りてくればいいのに、と言っても、毎週この本。

娘は『ねむいねむいねずみ』シリーズ。
あきらかに不穏な空気の漂う背景の絵本なのに、お構いなしに能天気なねずみがなんともおかしい。

今回展覧会に一緒に行って、展示されている絵本を読んだ中で、おとうさんのお気に入りは『ぶたのたね』と『はぐ』。
『ぶたのたね』はそうとう気に入ったようです。

私が好きなのは、ムッシュ・ムニエルシリーズ。
今回は原画が見れて感激でした。

ムッシュ・ムニエルは魔術師です。弟子がほしくて子供をさらいにきたのですが。

斜視のムッシュ・ムニエル、ミステリアスな背景、どこか知らない異国の暮らしが丁寧に描かれた絵の中のどこかで、そっとムッシュ・ムニエルの魔術がかけられます。

久しぶりにこの世界に浸かって、やっぱり絵本っていいなあと思いました。

トラウマになる絵本

会場で放映されていた佐々木マキインタビューの中で、「子供だけが楽しめる本じゃ作っていても面白くない、自分がおもしろいと思うものをつくりたい」というようなことが語られていましたが、彼の作品の中でいちばん強烈だったのが、『おとうさんがいっぱい』という児童書です。彼自身、こういう物語が心底好きなんだろうなあと思わされます。

厳密にいうと挿絵のみで、著者は三田村信行氏なのですが、佐々木マキの作風とこのストーリーががっちり合わさってさらにパワフル。

後味は悪いしおそろしいし、しばらく忘れられなくなるストーリーです。
Google検索で「こわい絵本」などといったキーワードで探すと必ずリストに入っている本です。

子供は単純に楽しめて、大人は深読みしたり背景にぐっと入り込んだりして、大人ならではの楽しみを堪能できる、佐々木マキ氏の作品。

展覧会には絵本もたくさん並べられていて、会場でじっくり読むこともできます。

10月22日(日)まで。会期中は無休です。

印刷して持参すると割引してもらえるクーポン券もありますので、ぜひ足を運んでみてください。

割引券 – 「佐々木マキ見本帖展」 – 特別展 – [ひろしま美術館]