広島市現代美術館で現在開催中の特別展「フィンランド スピリット サウナ ー建築、デザインからサウナハットまで」に足を運びました。

近年、日本でも一大ブームとなっているサウナですが、本展はそれを単なるトレンドとしてではなく、フィンランドの歴史、美術、建築、そして人々の精神性に深く根ざした「文化」として多角的にひも解く、非常に見ごたえのある展覧会です。
無形文化遺産としてのサウナ
フィンランドにおけるサウナは、2020年にユネスコの「人類の無形文化遺産」に登録されています。これはフィンランド国内の文化としては、初めての登録だったそうです。
親から子へと何世代にもわたって受け継がれてきた伝統、サウナの中では誰もが平等であるというリスペクトの精神、そして心身を清めて深い平穏を得るという、人々の暮らしに根ざした「文化そのもの」が評価されました。
展示を眺めていると、彼らにとってサウナがいかに日常であり、かつ神聖な場所であるかが伝わってきます。
アアルトデザインのサウナ小屋
展示は5つの章で構成されています。
特に印象的だったのは、北欧の巨匠建築家アルヴァ・アアルトが手がけたサウナ小屋の、実寸大模型の展示です。
サウナ小屋の再現もあり、空間のスケール感を肌で感じることができます。

アアルトの引いた図面、なかなか見る機会もないものなので、その精緻さとデザイン性にただただ見とれてしまいました。
建築途中でアレンジが加えられ、設計図と全く同じできあがりにはなっていないそうなのですが、図面の前には実際の建物を計測して作られた模型も展示されています。
建築好きとしても深く興味をそそられる空間でした。
北欧デザインのプロダクト
また、館内には白樺の枝葉を束ねた「ヴィヒタ」や、職人の手仕事が光る個性豊かなサウナハット、ストーブといったプロダクトデザインが約130点も並んでいます。機能美と遊び心が共存する道具たちを眺めているだけでも、フィンランドの人々がいかにサウナの時間を愛し、豊かに過ごしているかが伝わってきます。

ビンテージのアラビアのポットが展示されていますが、なんとこちらは輸送途中で割れてしまったとのこと。ですが所有者の希望で、日本の伝統技術である金継をもちいて修復、その状態で展示されています。
モノを大切に長く使う文化をここでも感じました。
ガイドツアーがおすすめ
もしこれから足を運ばれるなら、土曜日・日曜日、あるいは祝休日の訪問がおすすめです。
広島市現代美術館では、毎週土日・祝休日にアートナビゲーターさんによる「アートナビ・ツアー(展示解説)」が開催されています。
今回のサウナ展が開催されている特別展(B展示室)のツアーは、午前は11:45から、午後は14:45からの1日2回。
事前申し込みは不要で、時間までに展示室の入り口に集まれば、無料で約30分間の解説を聞くことができます。
北欧のデザインやサウナ小屋の背景など、自分ひとりで眺めるだけでは気づけなかった深いお話を聴きながら巡ることができるので、より展示の世界に浸れるはずです。
サウナ愛好家の方はもちろん、北欧のデザインや豊かなライフスタイルに興味がある方にも、ぜひおすすめしたい展覧会です。
展覧会情報
広島市現代美術館
特別展「フィンランド スピリット サウナ ー建築、デザインからサウナハットまで」
広島市南区比治山公園1-1
会期:2026年3月14日(土) 〜 6月28日(日)
開館時間:10:00 〜 17:00(※入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日

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