腹が立った時、その場できちんと言い返したい

「気持ち」を考える

「あの時ああ言われて、どうして言い返さず黙っていたんだろう」

「あの時のあの一言に、気の利いた言葉でガツンと返せばよかった!」

失礼なことを言われたり、マウンティングをされたりしても、リアルタイムで反応できず、あとから腹が立ってくる。
言いたいことをうまく言葉にできなかったことを後悔し、ああ言えばよかったこう返せばよかったと思い返す。

予想できないびっくり発言には、あまりの驚きで、とっさにうまい言葉を返すことができません。
なにかうまい切り返しをすればよかった、といつもあとから思います。

とはいえ、ケンカをしたいわけではありません。
冷静に「あなたは失礼なことを言っている」とその場で伝えることができればいいのに。

マウンティング行為はスルーしても疲れる

以前は、自分の優位性を確認してくる人に対しては、受け流すことが一番の対処法だと思っていました。

挑発に乗るのは相手と同じレベルになること。
相手のマウンティングに応じても消耗するだけ。

スルーするのがいちばん。

「前の職場でいかに頼られていて重要な仕事を任されていたか」「『こんな職場』を辞めても(あなたと違って)自分は引く手あまただ」というような話を、「そうでしょうねー!」とニコニコ聞き流す。

誰かの発言に「自分はもっとすごい」とかぶせてきても、ホントすごいですねーと賞賛の言葉を投げてスルー。

まあこのくらいならいいんですが。
流しているとどんどんエスカレートしてきます。

マウンティング行為をする人は、一旦「この人は言っても構わない人だ、聞いてくれる人だ」と認識した相手には、つねに優越感を抱いていたいために、ターゲットにして際限なくその種の発言を繰り返します。

頻繁に顔を合わせる相手に、毎日のように張り合う態度を取られ、格下扱いされていると、どんどんストレスがたまってきます。

自分が満足したいがために周囲の人を雑に扱うひとに対して、彼女自身を気持ちよくする行動を取ることは、彼女と同じように、自分で自分を傷つけているということです。

だからどんどん消耗していく。

同時に、聞き役に徹していると、相手は徐々に、自分の優位性に対して確固たる自信を持ち始め、ターゲットだけでなく周囲の人たちにも「この人より自分の方が上」という関係性を認めさせようという行動が目立ってきます。

カチンとくる一言や行動に対し、とっさにうまい切り返しをして、これ以上言ってこないようにする方法はないものでしょうか。

マウンティングの回避法

この本は女子のマウンティングあるあるがたくさん載っていて、本当に面白いんですが、あるある過ぎて実体験を思い出してしまい、具合が悪くなるという短所もあります。

こういう実例を読んでみると、なんだかんだ言って自分もマウンティングしてるなと思ってしまいます。無意識に言っていたことが相手にとってはマウンティングと受け取られる発言もあったかもしれないと感じます。

この本に書いてある、マウンティングされることを回避する方法というのが、また可笑しいのです。

マウンティングしてくる相手がやっているのは、まわしをしめてシコ踏んで、鼻息荒くこちらに向かってきているひとり相撲。
そう思うと可笑しくて、相手にする気がなくなる。

自分がマウンティングしそうになったときも、そんな自分の姿を想像すればバカらしくなって自制心がはたらきますね。

「我慢しなきゃ」と思ってスルーしているとストレスが溜まってきますが、こういう風に考えれば、少しラクになりそうです。

また、この本の中で印象深かったのは、スルーすることと受け入れすぎることは違うということ。
マウンティングされたくなくて、自分は格下だということをあえて相手に認めさせるのは、対処法としてはよくない。
自分の自尊心のためによくない。

私の「スルー」は、もしかするとこちらだったのかなと思います。
自分を傷つけないようにスルーしたつもりが、自分で自分を傷つけていた。

この本を読むと、マウンティングの事例が多すぎて後味が悪くなったりもするのですが、同時に、「マウンティングしてくる相手をぎゃふんと言わせる切り返しがしたい!」というドロドロした欲望が自分にもあることを再確認できます。


水島広子さんの「女子の人間関係」

こちらの本もおもしろいです。上の本より学術的です。

カッコつきの女。

・比べたがる「女」
・「敵」「味方」を作りたがる「女」
・ママ友、社宅、「社会的な仕事」としての「女」
・「形ばかりのつながり」を求める「女」
・「自分は自分、他人は他人」ができない「女」

ああ、いるいる!と思いますが、きっと自分もこの中のひとりなのです。

こちらの対処法は、1.相手の行為に巻き込まれないように距離を取り、2.自分を守りつつ、3.相手の傷を癒すこと。

読んでいるとなるほど、と思うのですが、なかなか実践は難しそうです。

自分の持っている賢さを、自分が周りより優れているというアピールに使うのではなく、自分の生きやすさや他人の傷を癒すことに使うように、という水島さんのメッセージは心に刺さりました。

マウンティング対処法まとめ

どんな本を読んでも、たいていは、「挑発に乗らない」という答えが出ているので、やはり相手にしないのがいちばんなんだろうなと思います。

「腹が立った時、その場できちんと言い返したいが、とっさに言葉が出てこない」のは、頭のめぐりが悪い自分の短所だと思っていましたが、こう考えると案外長所なのかもしれません。

あとは、いつまでも「ああ言えばよかった」とくよくよするのをやめるだけです。

マウンティング行為に疲れたけれど、単に「イヤなものを見て見ぬふりしてスルーする」という対処法だと余計に疲れてしまう、という私のようなひとは、ぜひこの『女子の人間関係』を読んでみてください。問題解決の糸口が見つかるかもしれません。

相手の「女」の傷を癒す方法、そして相手の行動にカチンとくる自分自身の「女」の傷を癒す方法はないものか、考えているところです。

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