かつての失敗談
むかしむかしの話ですが、とあるWEB制作会社にお勤めしたことがありました。
それまで独学でWEBのことを勉強してきて、WEB関連の業務につくことはあっても、周りには自分より詳しい人がいませんでした。
新しく入ったその職場では、すごい技術を持っているプロフェッショナルな人たちに囲まれて働くことができ、毎日とてもワクワクしていました。
少し慣れた頃のある日、ページの目立つ場所に設置するパーツの作成を頼まれました。
張り切って自分の技術を駆使して作ってみたところ、ボスからこう言われました。
「やるべきことと、やりたいことは分けて考えないとね」
自分のことしか見えていなかった
その時の私は、任されたことが嬉しくて、周りが見えていませんでした。
新入りに大事な部分を任せなければならないほどチームは忙しかったのに、そこには気づかず時間をかけて、まわりから見ると無駄な作業に没頭していたのです。
しかも、「こんな感じのシンプルなパーツで」と指示も受けていたのに、自分がこんな技術も持っているんですとアピールしたい助平心があったのか、必要ないものまでこれ見よがしに盛り込んでいたのでした。
ボスの発言には、「覚えた新しい技術を使いたいのはすごく共感できるけど、今はその時じゃないね」という優しいニュアンスがありました。
我に返ってあらためて成果物を見てみると、それは本当に自己満足にまみれた仕上がりでした。
もう恥ずかしくて恥ずかしくて、消えてしまいたい気持ちになりました。(でもみんな忙しいので消えずにせっせと次の作業にかかりました)
「やるべきこと」と「やりたいこと」を見きわめる
それ以来、仕事の優先順位を決めるときには、少し幽体離脱して自分の殻から抜け出し、客観的に「やるべきこと」と「やりたいこと」を見極めるように気をつけています。
「やりたいこと」には無意識のうちに自己を正当化する理由づけをしてしまい、客観的に見ることができなくなってしまいがちです。
「これは今絶対に必要な業務だからやります」という言葉に嘘はないけれども、「誰にとって必要・重要なのか?」を冷静に考えてみると、案外メインは自分のためで、周囲の人にとってはそうではない、ということはよくあります。
心の奥底では自分のためなのに、もっともらしい理由をつけて押し通し、チームを振り回していると、人間関係にも悪い影響を与えてしまいます。
幽体離脱したつもりでも、エゴはなかなか手放せません。
チームとしての優先順位を考えるときは特に、尊敬できる上司や同僚になったつもりで「あの人ならどうするかな?」と考えてみたりします。
昨日の優先順位についての記事を書いたあと、昔の職場で起きたこのことを思い出し、赤面しつつ、あの時ちゃんと指導してもらえてよかったなあと、かつてのボスにあらためて感謝の気持ちが湧いてきました。
「学習欲」が1位の私
ストレングスファインダーでは学習欲がトップに来ることもあり、「学びたい!」「学んだことを活かしたい!」という気持ちが人一倍強い人間だという自覚があります。
ともすれば周りを見ずに「私はこんなこともできるんです!スゴイでしょ!」と突っ走ってしまいそうになるので、心にもうひとり、監視役の自分を置いて、ドウドウと手綱を引かなければなと改めて思いました。
ストレングスファインダーで自分の強みを知ると生きやすくなります。おすすめです。