仕事における、優先順位の基準はドラッカーの4原則を参考にしよう

仕事

発言小町にこんなトピがあがっていました。

部下が仕事の優先順位を守りません | キャリア・職場 | 発言小町
部下が仕事の優先順位を守らず、上司である私の指示に従わなくて困っています。私は「すぐやって下さい」、「今すぐ急いでお願いします」というのが口癖なのですが、当然のことながら、5秒でやれとか10秒でやれなどとは求めていません。こんなことは、会社...

私が「すぐに大至急でやって下さい」と言って仕事を命じると、部下は手元の仕事を中断して新たな作業に入り、また30秒後に私が「最優先でとっととやって下さい」と言って別の仕事を命じると、部下はまた手元の仕事と並行して別の作業を始めようとし、同時に5個も10個も作業をしようとして、滅茶苦茶になってしまいます。

部下は何も悪くないです。
あなたが仕事ができない独善的な上司だから毎日振り回されてるんです。
気の毒に。。。
これではいつまでたっても仕事が終わりません。

解決法は1つだけです。
あなたがちゃんと客観的に判断できる指示をすることです。

トホホな上司ですが、優先順位のつけかたって人それぞれなんですよね。
トピのようにびっくりな上司でなく、常識的な人であっても、優先順位の考え方が違って仕事がぎくしゃくすることはよくあります。

優先順位の基準

仕事に取り掛かる順番を決めるときに、何を基準にしますか?

「7つの習慣」の重要度・緊急度マトリックスを使って優先順位を決める人もいるかもしれませんが、実際のところ、「重要」のものさしは人によって違います。

お客さんは皆、自分の依頼が最重要だと思って頼んできます。

お客さんの「最優先で、最短納期でお願いします」という言葉を鵜呑みにして、あれもこれも一度に手をつけては、忙しくてパフォーマンスも下がり、仕事の品質も落ちてしまいます。

ドラッカー「優先順位を決める4つの原則」

優先順位のつけ方で参考にしているのは、ドラッカーの言葉です。

「優先順位の決定には、いくつかの重要な原則がある。
すべて分析ではなく勇気にかかわるものである。
第一に、過去ではなく未来を選ぶ。
第二に、問題ではなく機会に焦点を合わせる。
第三に、時流に乗るのではなく独自性をもつ。
第四に、無難で容易なものではなく、変革をもたらすものを選ぶ。」
(『経営者の条件』より)

どれも大事だからと言って優先順位をつけずにあれにもこれにも手を付けることは、「もっともやってはいけないことだ」とドラッカーは言っています。

すべての関係者の思惑を汲もうとすると、迷いが生まれます。
優先順位をつけるのに必要なのは分析ではなく勇気」というドラッカーの言葉には深くうなずかされます。


優先順位の決定

順位をつけるとき、基準になるのは納期までの残り時間であったり、顧客の重要度であったり、さまざまです。

利益がほとんど出ないかもしれないけれど重要な顧客からの依頼であれば、「未来」と「機会」を考慮して優先順位を上げるかもしれません。

契約に至るまでのハードルが低い案件であれば、利益率が低くても優先順位を上げることがありますし、納期に余裕があってもややこしそうな案件であれば、先にややこしい部分を片付けてしまうことを優先的に選ぶかもしれません。

数字には出なくても人情が大事、というようなポリシーの方もいますが、経済活動を行う以上、コストをきちんと計算して、利益が出ないもの(且つ将来的な機会にも結び付かないもの)に関しては、ドラッカーがいうところの「劣後順位」、なすべきでないことの順位の上位に置くべきだと考えます。

いろいろな条件が複雑に絡み合って、優先順位は決まっていきます。

外側と同じくらい内側も重要

顧客満足と同じくらい、内部の状況を把握し、仕事量が適正かどうかを判断することも重要です。

成果物が完成するまでに自分以外の手も多く借りることになるのであれば、スタッフの状況を見極めつつ優先順位をつけることが必要になります。

他人の手を止めてまで割り込み作業をお願いしなければならないほどの優先順位をつけるべきかどうか。

周囲の状況を見ずに「お客さん第一」のみを振りかざして優先順位をつけていては、結果的に成果物の品質を落とし、仕事仲間のモチベーションも低下させ、諸々の機会を失ってしまうことになりかねません。

内部の良好な労働環境が担保された上での顧客第一であってほしいものです。

優先順位のすり合わせ

いろんな職場で働いていると、成果ではなくプロセスにおいて、「自分はこんなにやっている」という満足感を得ることを優先順位にしているのかなと感じる人も意外に多くみかけます。

価値観が違うひとと一緒に仕事をするとかみ合わないことも多いですが、お互いが納得できる妥協点を見つけなくてはなりません。

よい労働環境を保ちつつ、客観的に落ち着いて優先順位を決めることができる判断力をもっと鍛えたいなと思っています。

お気に入りの2冊です。

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