THIS IS US 第2話・ビッグ・スリーです。
第2話・ビッグ・スリー あらすじ
第2話では彼らの抱える問題にフォーカスしていきます。
ケイトは肥満。
子供時代のフラッシュバックからは、すでにぽっちゃり体形のケイトに対し、母のレベッカが厳しく食事制限をさせていることがわかります。
また、1980年代のジャックは、3人の子育てがハードすぎて、レベッカとうまくいかず、お酒に逃げてしまいます。
ケヴィンはくだらないシットコムの主役を辞めたいのですが、事務所やテレビ局上層部の反対に遭い、将来をつぶしてやると脅される始末。
子供時代のフラッシュバックからは、ランダルとの兄弟関係はよくなかったことがうかがえますが、ピンチになったときに、ランダルに電話をかけ、弟の意見を聞こうとします。
ランダルは養子として育ってきたことが影響しているのか、正しくあろうと完璧を求めすぎるあまりに、自分自身を追い詰めてしまいます。
バス代を借りてから、一日じゅう家にいない父ウィリアムが、いったいどこで何をしているのか気になりますが、尋ねることもできません。ランダルの代わりに口火を切ったベスの問いに、ウィリアムは飼っている猫の世話をするため、バスで往復3時間かかる家まで戻っていたと答えるのでした。
誤解が解けた翌朝、母のレベッカが夫のミゲル(ジャックの親友のあのミゲル!!)と一緒に家にやってきます。
キャスト:ランダル役:スターリング・K・ブラウン
ランダル役のスターリング・K・ブラウンは、ブラックパンサーでウンジョブ役で登場していました。
ウンジョブは前代王であるティ・チャカの弟。
ブラックパンサーのヴィラン、キルモンガーはウンジョブが米国での極秘任務中に現地の女性との間にもうけた子供です。
ヴィヴラニウムの存在を隠し続けるワカンダ国の方針に疑問を持ち、抑圧される黒人を救うためにヴィヴラニウムを裏取引しようとしていました。その結果、実の兄であるティ・チャカに裏切り者として殺されてしまいます。
彼は彼なりに信念を持って国のために働いていたのに、殺されてしまったウンジョブが哀れです。マーベルらしい、憎みきれないヴィラン。
このスターリング・K・ブラウンは、ER緊急救命室やNYPDブルーにも登場しています。
THIS IS USではエミー賞で主演男優賞、ゴールデングローブ賞ではドラマ部門主演男優賞を受賞し、この作品が出世作になったといえそうです。
父が残したビッグスリーの絆
テレビ局長に頭を下げるために参加したパーティーで、にっちもさっちも行かなくなったケヴィンは、悩んだ末にランダルに電話をかけ、相談します。
子供時代のフラッシュバックでは、ケヴィンは「いい子」のランダルへの嫉妬か、学校でからかわれるランダルをかばってやらないどころか、家では同じようにランダルをいじめてレベッカから怒られます。
仲の良くなかったふたりですが、困ったときにランダルに電話をかけるこのシーン、ケヴィンはランダルを信頼し、一目置いていることがわかります。
ランダルはケヴィンに「仲は良くなかったが、これから挽回できる」と答え、兄弟の距離が近付いたように見えますが、この優等生な感じがしゃくにさわるんだろうなと、ケヴィンの気持ちも理解できてしまいます。
No, you weren’t.
But you’ve still got time.
落ち込むケヴィンに、ランダルはかつての父のように決まり文句を誘います。
And Dad said “Gee”.
And then came Me! And Mom said “Whee!”
And then came Me.
And they said “That’s three.” Big Three! Big Three!
You good?
Yeah, I’m good, I’m good.
酔っぱらったケイトが参加して、ビッグスリーがそろいました。
深刻な兄と弟の間で、ケイトの無邪気さが救いです。
ベスとウィリアム
突然家に転がり込んできた、夫の実の父親。しかも子供を捨てた当時はコカイン中毒だったと聞いて、やせ細った義理の父に不信感を抱きながらも、少しずつ歩み寄っていくランダルの妻ベス。
ウィリアムに、毎日どこに出かけているのか、問いただすベス。
His vice is his goodness.
It’s his compulsive drive to be perfect.
It’s why I love him but it’s also why I have to protect him sometimes, you know? So now, I’m gonna have to ask you a couple questions, questions he would probably be too polite to ask himself.
ウィリアム、ランダルにも悪癖があるの。彼の悪癖はその善良さよ。
完璧でなければ気がすまない。
彼のそんなところを愛しているし、だからこそ時には私が彼を守らなければいけない。
だからあなたに聞かなくちゃならないの。ランダルはあなたに気を遣って聞けないだろうから。
ウィリアムの遠出の理由が、飼っていた猫に餌をやるためだったと知ったベスが、問いただした自分がイヤな女に思える、と言ったところで、ランダルとウィリアムが笑い出すところがとてもいいのです。家族として心が通い合っていることを感じさせます。
THIS IS USのよいところは、こういうなんていうことのないシーンに、見ている人が感情移入できるところだと思います。
レベッカとジャック
子育ての忙しさに疲れ、イライラしがちなレベッカや、3人の子供たちとの騒々しい生活から逃れようと、ジャックはお酒に逃げてしまいます。親友のミゲルに忠告され、反省してレベッカにプレゼントを買って帰りますが、妻からすると違うそうじゃない!と怒りが倍増するのはよくわかります。
でも、仲直りの朝のふたりはとてもよかった。夫婦がいちゃいちゃしているところに、子供たちもがんがん乗っかってくるというのは、きっとどこも経験があるのではないでしょうか。幸せ極まりない光景です。私も子供たちが小さい頃を思い出し、とても甘い気持ちになりました。
レベッカはとても気持ちが強い人で、子供ができても以前好きだったものを絶対に手放したくないという意思を持ち続けています。ぽっちゃりのケイトにも、かなり厳しく食事制限をさせています。完璧主義で、ストイックに理想を追い求める親だと、娘は大変だろうなあと感じてしまいます。
そしてエンディング間際の、ミゲルとの登場。日本語字幕は子供たちが「おばあちゃんたちだ!」と言っていますが、英語では「Grandma and Grandpa are here!」とはっきり言っています。
ジャックとミゲルがお酒を飲むシーンで、ミゲルがずいぶんレベッカを褒めたたえますが、このエピソードが現在のレベッカたち老夫婦の伏線になっているのでしょうか。
ジャックはどこ行ったんだ!ミゲルがおじいちゃんってどういうことだ!とオーディエンスを混乱させつつ、次回に続きます。