求人情報を目にして、TOEIC600程度でもかなりレベルの高い英語力が必要な業務につくことを求められていてびっくりするときがあります。
ETSのホームページを見ると、
TOEIC® Listening & Readingスコアとできることの目安
TOEIC L&Rスコア 600~695
自分宛てに書かれた簡単な仕事上のメモを読んで理解できる。
ゆっくりと配慮して話してもらえば、目的地までの順路を理解できる。
TOEIC L&Rスコア 800~895
英語で書かれたインターネットのページから、必要な情報・資料を探し収集できる。
職場で発生した問題点について議論をしている同僚の話が理解できる。
というように、自分の感覚とあまりかけ離れたものではありません。
ですが、世間一般には、800点もあればペラペラで、何の問題もなく英語を必要とする業務を遂行できるというイメージがついてしまっているようです。
私は900点以上のスコアを3回出した時点で、もういいかなと思って定期的に受けることはしていませんが、900といっても運用能力は低いです。ネイティブが手加減して話しかけてくれることを理解して、彼らの発話量の3分の以下の分量で返答するのがせいいっぱいです。
実際に英語を使って仕事をしている人たちはTOEICにはさほど興味を持っていなくて、何の準備もせずに900点台前半を取得(そしてそれっきり)という事例も多く見ています。
ですのでなおさら自分のスコアが自分の実際の能力に見合っていなくて恥ずかしいです。
以前職場の仲間でTOEIC勉強会を開催していたことがありました。
今はときどきLINEなどで最近の勉強法などを話すくらいですが、一時期はみんなで勉強プランを考えたりチェックしあったりしながらTOEIC対策を進めていました。
レベルは300から800とバラバラで、自然と教えたり教わったりという関係ができてきていました。教えることで自分のわからない部分もあぶりだされ、教える方にとってもとてもよい勉強の機会になっていました。
600点まで
勉強会の中で感じたのは、500点とか600点を目指す人は、模試よりもまず英語の基礎固めをした方がいいということです。文法や、基本的な語彙などにじっくり取り組む。リスニングは慣れで点が取りやすくなる部分があるので、公式問題集のリスニングを内容を理解したうえでしっかり何度も聞くとよいです。
800点まで
600点を超えると、問題を数多く解こうとしてしまいますが、落ち着いて自分の弱点を見極め、テーマを決めてとりかかるのがよさそうです。いろんな模試を2時間ぶっつづけで解くよりは、期間を決めてパート別の対策をとったり、得意分野をのばして確実に点が取れるようにしたり、戦略的に進めると伸びる時期だと思います。
語彙を固めたいひとには金フレをおすすめします。
文法は究極のゼミと相性がよかったです。
いろんな問題集を買うよりは、公式問題集に丁寧に取り組み、繰り返し説いて不明な点がないようにする方が効果的だと感じます。
800点から
同じようにこのレベルも、「たくさん解く」ことに熱中してしまいがちになります。私も900点を目指すあたりで、「あの教材がいい」という話につられてたくさん教材を買い込んでしまったはいいけれど、何度解いても同じところを間違えて進歩がみられず焦ってまた別の教材を買う、というような悪循環に陥りました。
広島のTOEIC勉強会で900点後半のスコアをお持ちのひとたちからためになる話をいろいろお聞きしましたが、「公式問題集に繰り返し取り組む」というのが皆さんに共通した勉強法でした。
このレベルでは、日常的にどれだけ英語に触れているかという時間的な条件も必要になってくると感じます。800点台まではテクニックでなんとかなっても、この先はそれだけだと難しい。
TOEIC教材に限らず、英語にたえず親しみ、英語に慣れる必要があります。英語で楽しめる好きなジャンルを持っていると強みになります。
書店ではTOEIC関連の教材が山のように売られています。TOEICのスコアを上げる教室の宣伝もたくさん見かけますが、たくさんお金をかけたからといってすぐに英語力が手に入れられるなんてことはありません。
誰も知らない抜け道はどこにもなく、丁寧に自分のできていない部分を埋めていくのが結果的にいちばんの近道だと思います。
TOEICを2012年に初めて受けてから、900点をゴールのように考えていましたが、いざたどりついてみるとやっとスタートに立ったにすぎません。ここは通過点として見届け、引き続き勉強していきます。
とはいえTOEICはよくできたテストだと感じているので、数年に1回くらいのペースで受けて、じわじわスコアを上げつつ、スコアに比例した実力を養っていくつもりです!
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