便利なフレーズは1対1の対訳で覚えない

語学

「算了吧」という中国語があります。とても便利なフレーズのひとつです。

日本語で言うと、「もうやめよう」「しかたない」「なかったことにしよう」「あきらめよう」「そのくらいにしておこう」など、割と広い範囲をカバーする表現です。
強い語気で言うと、「いいかげんにしなさい」といった意味でも使えます。

英語で言ってみると

「算了吧」英語であらわすと、

Forget it.
let it go at that.
call it quits.
just skip it.

いろいろな表現があるのですが、注意しないといけないのが、「算了吧」と「Forget it.」など、それぞれのフレーズの意味が1対1で対応しているわけではないということです。

「Forget it.」の内包している、「You’re welcome.」といった感謝の言葉に応じるニュアンスは、「算了吧」にはほとんど感じません(使っても意味は通じるだろうけど)。
言葉はナマモノなので、「この言葉はこういう意味では絶対に使わない!」と断言はできないのですが、便利なフレーズも、日本語の意味と1対1で完全対応しているわけではないことに注意しながら使う必要があります。

「随你的便」

「随你的便」というフレーズは、日本語では「どうぞご勝手に」といった、やや突き放した口調での訳で紹介されていることが多いですが、英語の
have it your way.
suit yourself.
のように、不機嫌なニュアンスで使われる場合もあれば、お気に召すままにどうぞ、とすすめるニュアンスで使われるときもあります。

二か国語以上の外国語学習は、あるフレーズが内包するニュアンスを検証するのに日本語だけでなく別の言語で意味の幅を確認することができるのが便利です。

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